おもに古代中国の (いん)で 占い に使った 亀甲 (きっこう)や 獣骨 に刻まれた 文字 。平らに削った亀甲・獣骨に鋭利な刀子(とうす)で彫られている。 殷墟 から 出土 するものが多く,これらには殷の歴代の王名が記され,その順位は 文献 の世系とほぼ一致する。記事は,亀甲・獣骨に 裏面 から火を当てて入った ひび (兆)を見て, 卜師 ( ぼくし )が,占いの言葉を書いたもので, 祭祀 ,戦争, 田猟 疾病 生死 ,雨乞, 豊凶 などに関する。清末の羅振玉, 王国維 などによって研究・ 解読 され,革命後董作賓を中心とする中央研究院の 発掘 によって甲骨学はさらに発展した。また近年,西周時代初年の 卜甲 卜骨 がいくつかの 地点 で発見され,注目されている。
→関連項目 貝塚茂樹 白川静 《「文」は文字の意》占いの記録のために カメ の甲や獣類の骨に刻まれた中国最古の文字。多く 殷墟 いんきょ から出土。図像的要素の強い原始文字で、 漢字 の原形となる。甲骨文字。殷墟文字。
[類語] 文字 文字 もんじ 鳥跡 ちょうせき 鳥の跡 用字 表記 点画 てんかく レター 邦字 ローマ字 アルファベット ハングル 梵字 ぼんじ 大文字 小文字 頭文字 イニシャル 英字 数字 漢字 仮名 真名 片仮名 平仮名 万葉仮名 字母 表音文字 表意文字 音字 意字 象形文字 楔形 くさびがた 文字

【董作賓】より

…字は彦堂。北京大学卒業後,1928年に中央研究院歴史語言研究所研究員となって李済とともに安陽殷墟の発掘を主宰,甲骨文の研究にとりくむ。《大亀四版考釈》(1931),《甲骨文断代研究例》(1932)で甲骨文編年の基礎をつくり,これを発展して殷代の暦法を復元した大著《殷暦譜》(1945年)の画期的な業績をはじめ,30余年間に発表した論文,著書は数多く,甲骨学の開拓者として大きな足跡を残した。…

※「甲骨文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典| 株式会社平凡社 世界大百科事典 第2版について | 情報

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