2.被供与団体 :青海省民和回族土族自治県中川郷人民政府

3.供与限度額 :107,066米ドル

4.案件概要 :青海省東部の民和回族土族自治県中川郷中心学校において、児童と教師が安全で快適な学習環境の下で授業を行うことができるよう、C級危険建築物と指定された校舎(コンクリート構造、3階建て、建築面積1,051㎡)を修築する。

5.裨益効果 :児童約1,300名、教師74名が安全で快適な学習環境の下で授業を行うことができるようになる。

6.案件の社会的背景・ニーズ

●青海省東部、甘粛省との省境に位置する民和回族土族自治県中川郷は、人口約2万6千人、面積137平方kmを有し、土族、回族、チベット族などの少数民族が居住している。住民の多くは農作物を育てて生計を立てているが、自然災害が多く、農地面積も少ないことから、生産高は低く、平均年収は1,300元程度(約212米ドル)に止まり、多くの家庭は半年分の食料を確保するのがやっとである。そのため、副業として家畜業を営み、外地への出稼ぎへ出かけるなどして生活を営んでいる。尚、民和県は1986年以来国家級貧困県の指定を受けている。
●中川郷中心学校は、民和回族土族自治県の生徒数に対する教師不足を解消するため、周辺地域約10か所の農村地域から5年生と6年生を当校に転校させ、現在、5年生から9年生までの全24クラス、生徒数1,277名に対する教育を実施しており、同県南部土族居住区域中川郷における中等義務教育の役割を担っている。
●今後、同校に周辺11小学校(清泉、光明、前進、金田、美一、紅崖、河東、峡口、民主希望、虎狼城、河西)から3年生と4年生を転校させる計画となっている。2014年9月から3年生と4年生各5クラス計257名の生徒が当校に通う予定である。これに伴い、教師数も20名程度増やす予定。
●当校には、4階建て総合校舎と3階建て旧校舎があるが、前者は5年生~9年生が使用しており、今後追加される3年生と4年生の計10クラスは後者を使用することとなる。しかし、旧校舎は雨漏りや窓の変形が生じ、C級危険建築物(A~D級の4段階)に指定されており、生徒の安全・健康にも被害を及ぼす危険性があるため、現状のまま利用するのは困難な状況となっている。
●そのため同旧校舎を修築する必要があるが同郷の財政は困難な状態(2012年度歳 入:40万元(65,797米ドル)、歳出:40万元(65,797米ドル))にあり、当該修築費用を捻出することができない。そのため、草の根無償資金協力による支援の要請に至った。
特記事項 :本件の竣工後、コクヨ株式会社より同校に対し2,640冊(児童1名当たり2冊)のノートが寄贈される予定である。