どうも僕です。遂にこの日がやってきました。Poppin' Partyの6thシングルが発売です。3rdシングルと同じ両A面シングルの発売を、僕は心待ちにしていました。
相変わらず詳しい楽器知識は全くないので的外れな指摘や考察もあること思いますが、お許しを。一人のファン・消費者として感じたことと思ったことを吐き出させてください。
さぁ、それでは早速書いていきましょう!
“青春”と“友情”が音に乗る
まずは曲の方から見ていきましょう。
夢みるSunflower
でも取り上げることですが、やはり彼女たちの曲からは『
青春の匂い
』が非常に漂っています。前にも言いましたが、これはガルパの他バンドにはないPoppin' Partyだけの『個性』であり『強み』です。最近はPoppin' Party のことをガールズバンドらしくデフォルメされた青春パンクバンドだと勝手に思ってます。それくらい彼女たちの曲には青春感が乗っかっていると思うのです。なんとなく
リードギター
の音色もそんな雰囲気感じますしね。
それは当然この曲でも申し分なく発揮されていて、アニメの展開とリンクさせることでポピパが過ごした日々と友情が音として伝わってくるようです。所謂エモい曲調やテンポ感ではないですが、曲の展開や演奏、サビに繋がるまでのメンバーのリレーボーカル。そう言った節々から青春の匂いがして、非常にエモい。インストで聞くと心のちょっと弱いところをくすぐるような演奏がよく分かります。イントロのキーボードの音だとかBメロのギターリフとかすごく刺さります。個人的には特に、サビ終わりのボーカル5人のユ
ニゾン
と共に無音がやってくるところが最高です。初めて聞いたときぞくりと鳥肌が立ったことをよく覚えています。ここ本当にエモい。無限に聞ける。8億回泣ける。
AメロBメロとメンバーがお膳立てして、サビで香澄のパワフルな歌声が響くところはメンバーが香澄に寄り添っているようにも聞こえます。演奏も徐々に盛り上がっていって、サビの直前では階段を駆け上がるかのようにドラムやキーボードがまくし立て、そのままサビではボーカルを支えるように力強い音を聞かせてくれるところもあり、言葉や歌だけでなく演奏からもPoppin' Partyの友情や関係性が伺えるような気がします。周りの仲間が寄り添い支えてくれるから、香澄はひたすらまっすぐみんなを引っ張っていけるんでしょうね。
5人の想いが紡がれ、一つになる歌詞
この曲はもちろんオケも感動的で素晴らしいのですが、何より注目すべきは歌詞! これは誰もが思うことに違いありません。
メンバーのソロパートの歌詞は、それぞれが香澄と出会ったことで感じたキラキラやドキドキ、彼女のお陰で変われたんだという素直な気持ちが歌われています。それを受け、サビでは香澄が香澄らしく『
前へ進む
』ことを歌い上げます。普通ならやろうとしないこと、無理だと思うこと。それを彼女は劇中で今まで何度も、それこそ“一心不乱に精一杯”前進することで一つ一つ突破してきました。一度は挫けた香澄ですが、それを乗り越えて、それでも前へ進むんだということを歌ってくれています。歌詞全てがアニメと非常に密接にリンクしていて、アニメを見続けてきた人なら曲を聞きそして歌詞を見ることで、その度にポピパのみんなの物語が思い返されるでしょう。
少しアニメの話をします。劇中で香澄は、思いついたら即行動してしょっちゅう突破もないことをしていました。香澄が少しおかしな人なのは間違いありませんが、こういう裏表のないまっすぐな人は得てして輝いて見えるものです。その輝きに有咲が、りみが、たえが、沙綾が惹かれ、香澄はずっと4人を引っ張り続けていました。そんな香澄が一人、焦りやプレッシャーそして恐怖心に押しつぶされ、挫けてしまったとき。4人は香澄に寄り添い、そんな彼女を支えました。きっとこのとき初めて、彼女たちは本当の意味で“バンド”になったんだと思います。今までは香澄が一人突っ走り、みんなを引っ張っていた。歌詞に『“わたしは一人じゃない”こと』という一節が出てくるところから、もしかすると香澄は一人ひた走ることへの孤独を感じていたのかもしれません。沙綾に「なんでも一人で決めるのはズルイ」と言った本人が、問題を一人で抱え込んでしまっていた。だけどこの瞬間から5人の歩幅が完全に揃った。そんな背景を考えると前述の演奏も、この歌詞も、一層深みを増して感じることができる気がします。2番沙綾パートの『過去の全てにとらわれた日々 一人悩むのはやめよう』という歌詞は、もちろん彼女自身のことでもありますが、同時に香澄にも通じているのではないでしょうか。
前へススメ!
の歌詞はまさしく、アニメ全13話の要約であると言えると思うのです。
メインボーカルは“Poppin' Party ”
さて、聞けばすぐに分かることですし前述もしたように、この曲では度々取られていた香澄以外のメンバーもボーカルとして歌唱する手法が取られています。今までの曲ではその中でもメインボーカルはあくまで『
香澄
』でした。ですが今回メインボーカルと呼ぶべきなのは香澄ではなく、彼女を含めた『
Poppin
' Party
』そのものだと思います。前の歌詞の話で言ったように、この曲はメンバーそれぞれの想いが歌われたアニメの総決算的な曲です。主役は香澄だけではないと言えるでしょう。メンバーそれぞれから香澄へ送る歌であると同時に、香澄からメンバーに送る歌でもあるわけです。歌詞の持つストーリーがこれまでの楽曲以上に、各キャラクターと密な関係を持ち、それがそれぞれの口から紡ぎ出される以上、この曲におけるボーカルは『バンド』そのもの。つまりは『Poppin' Party』であると言って差し支えないと思います。
ポピパらしいサマーソング
2曲目の『
夢みるSunflower
』はタイトルからも察せられるようにサマーソングだと思います。なんとなくイントロのギターからは夏の日差しのような感覚を得られますし、全体的な曲の構成も夏を感じます。僕はよく分かりませんが、きっと夏っぽいコード進行やら展開やらがあるんでしょうね。2番のボーカルがフェードアウトするところからピアノソロ辺りはどことなく夏の寂寥感みたいなものも感じられます。なんとなく夏の到来を感じさせるような曲ですね。サマーソングとはいえ、TUBEみたいな所謂夏バンドの曲とは少し違うでしょう。ポピパらしい明るさやポップさのあるサマーソングだと思います。『いぇい!』のところとかポピパらしいですよね。やっぱりアニソンっぽさを混ぜ込んでる感じ。
個人的にサビのドラムのリズムが好きでして、特に『高く 強く 熱く 遠く』のところのドラムが好きです。僕って曲を聞いてリズムを取るときにドラムのリズムを取ることがすごく多いので、こういうちょっと変わったリズムとかテンポ感になると「おっ?」ってなるんですよね。
前回の両A面シングルであった3rdシングルのときもそうでしたが、2曲の間には繋がりがあるように思えます。所謂『
アンサーソング
』みたいな作りになっているのではないでしょうか。もちろん邪推という可能性もありますが、歌詞を見てみるとどことなくそんな雰囲気が漂っています。
顕著なところを抜粋しますと
『君が隣にいるから ふがいなさ許せたんだ』
『かなしかった日もあったよね 〜 溶けだした 未来』
この辺りがそうです。細かく見ると、「わざわざこの言葉を選んだってことは……?」と思うところもありますが、それこそ考えすぎな気もしますので目立つところを取り上げました。『
前へススメ!
』がメンバーから香澄に当てた曲という側面が強いのに対して、この『
夢みるSunflower
』は香澄からメンバーに対しての曲なんじゃないかなと思ってます。
ポピパの“新たなスタート”を想起させる
アニメの放送が終了し、とりあえずはひと段落ついたポピパ。そんな彼女たちがアニメを通して出した“答え”が『
前へススメ!
』なのだとしたら、この『
夢みるSunflower
』は彼女たちの“これから”を表してくれているような気がします。
この曲の歌詞は、『成長』や『夢に向かう姿勢』なんてものが書かれているように思えます。そこでちょっと考えてみたんですが……。これ、サマーソングという点と合わせて、
夏に控えてる武道館ライブ
のことを暗に意識させようとしているんじゃないか?と思うに至りました。いや、本当に考えすぎかもしれないんですけど、そう考えると夢があるといいますか、ロマンがあるといいますか。少なくとも、この曲からは“終わり”の雰囲気というのは全くしなくて、むしろ「これからまだまだ盛り上げますよ」という前向きな感じがします。ともかく、この曲はアニメを終えたポピパが新たなスタートを切るための一曲なのは間違いないでしょう。
アニメを見なければ魅力の半分しか伝わらない
この6thシングルは兎にも角にもアニメ本編との結びつきが強いです。もちろんこのシングルだけを聞いても曲の素晴らしさは色褪せませんが、100%このシングルの素晴らしさを味わうためにはアニメの視聴が必要不可欠だと断言していいでしょう。あなたが音楽が好きで、Poppin' Partyの曲がいいなと思っているのであれば、アニメを見ずにこのシングルを聞くのは損していると言ってもいいかもしれません。是非ともアニメを見ていただきたい。ネット上での評判等で知っている人も多いと思いますが、正直アニメ本編の出来はいいとは言えません。こき下ろされるほどひどいとは毛頭思っていませんが、やっぱり手放しに褒めることができる内容では決してないでしょう。それでも、『
前へススメ!
』を。この6thシングルを。Poppin' Partyの楽曲たちの素晴らしさをより引き出してくれるのは間違いありません。
さて、長々と語ってきました6thシングルのディスクレビュー。そろそろまとめに入りたいと思います。
『
前へススメ!
』はアニメ本編と非常に密接な関係を持つ曲であり、Poppin' Party屈指の名曲です。対する『
夢みるSunflower
』は明るくポップなポピパらしさの中に、どこか切なさや寂しさを含んだサマーソング。前者はポピパの“これまで”と“その答え”を。後者は“これから”と“その先”を想起させていると思います。アニメ本編と組み合わさったとき、その魅力を数倍に引き出してくれるところは『アニソン』の理想形とも言えると思います。
この6thシングルはポピパのここまでのリリースの中でも最も素晴らしい“名盤”だと僕は思っています。驚異的なセールスを見せた
Roselia
に、セールスの上で勝つことができるのかは分かりませんが、ある種『バンドリ』というコンテンツの
一つの完成形
なのかもしれないと思える一枚です。よろしければ是非、アニメ本編と合わせて聞いてみてください。