六字名号〔一遍上人筆 真教上人筆 一鎮上人筆 託阿上人筆 太空上人筆 〕
【ろくじみょうごう〔いっぺんしょうにんひつ しんきょうしょうにんひつ いっちんしょうにんひつ たくあしょうにんひつ たいくうしょうにんひつ〕】
左から:一遍上人・真教上人・一鎮上人・託何上人・太空上人筆
一遍(いっペん)上人筆 : 縦 30.5cm 横 8.3cm
真教(しんきょう)上人筆 : 縦 43.5cm 横10.5cm
一鎮(いっちん)上人筆 : 縦 43.6cm 横10.5cm
託何(たくあ)上人筆 : 縦 101.7cm 横26.7cm
太空(たいくう)上人筆 : 縦 87.0cm 横23.0cm
時宗白河山小峰寺は、弘安3年(1280)に宗祖一遍上人開基と伝え、その後の正慶年間(1332~34)に結城親朝が父宗広の菩提のため白川城の西側字藤沢に堂宇を建立したという。その後小峰城南に移り、寛永年間(1624~44)に現在地に移ったとされる。
同寺には、鎌倉時代の宗祖一遍、二祖真教、南北朝期の六祖一鎮、七祖託何、室町初頭の一四祖太空上人それぞれの自筆と伝える「南無阿弥陀仏」の名号が伝来している。一幅ごとに文禄・慶長・寛文の裏書きが添付されており、これらの遊行上人もまた遊行の途次に当寺に立ち寄ったことを示している。
一遍は、「南無阿弥陀仏の名号は、過たる此身の本尊なり」として、その信仰思想を名号を唱えることに集約している。一遍上人自筆と伝わるものに、紀州熊野本宮近くの万歳峰の名号石があるが、小峰寺の名号の書風はこの字体に酷似しており、真筆と推定されている。その他の四幅も遊行上人の真筆名号であり、これほどの名号を相伝する寺院は全国的に本山以外では2・3カ寺程度と云われている。
これらの名号の伝来は、小峰寺の寺伝由緒を裏付けるとともに、白河結城氏と時宗教団の繋がりもその背景に考慮する必要があろう。
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